バスブラシで変わるお風呂の習慣
2021.07.16
by Aika Kawada
日本人に生まれてよかったと思うことの一つに、豊かなお風呂の文化があります。一方で異国で出合ったお風呂グッズで、忘れ難いのがバスブラシ。子どものときに何年かヨーロッパで暮らしたのですが、日本でよく見られる体をゴシゴシするタオル(というか布)は現地に存在せず、バスブラシを使っていました。帰国してからはプラスチック製のものが多く、湿気でカビが生えそう、そんなの怖いという懸念点と、姉から「洗いすぎは肌の老化を早める。身体は手で洗え」というアドバイスもあり、すっかり縁遠くなっていました。
でもLife&Beauty by JUN ONLINEで目に留まったのが、〈Andrée Jardin〉のボディブラシ。美しさに心を奪われ、懐かしい気持ちも相まって、久しぶりに使ってみたい!と思ったのです。〈Andrée Jardin〉は、およそ一世紀前、フランスのナントで生まれたブラシメーカー。すべて職人による手作りで、フランス政府が“現代に生き続ける重要文化財”として認めているのだとか。
ボディブラシを家に迎え入れて、まず驚いたのが、ぷんと広がる木の芳ばしい香り。フレンチトネリコという木を熱処理しているそうで、深みのある大人なムードがお風呂場に漂います。我が家の猫たちもこの木が好きなようで、顔を擦り付けていました。調べてみると、トネリコは古代からヨーロッパでは神聖な木といわれているのだとか。確かに有難い木の香りがする。そして、フレンチトネリコは、乾きやすくカビに強い!それなら、高温多湿な日本においても神聖な木なのでは!と大変感激しました。
ブラシ部分は豚毛で、柔らかい毛(長い)と固めの毛(短い)に分かれています。取扱説明書に「お湯に浸かる前にマッサージすれば、血行を促進します」とあり「え?」と思いながらも実践。硬い方の毛でふくらはぎを刺激すると確かに気持ちがいい。最近、運動不足解消のためにランニングをしているので、混乱気味の身体のリカバリーに役立ちます。
さらに、素晴らしいと思ったのが木の柄の手になじむいい細さ。この持った感じもシックと言っていいんじゃないかと思うくらいの素敵さ。全く力を入れずに洗えるブラシの毛の塩梅も丁度良くて納得です。バスブラシのいいところは、背中や首の後ろ、足先、足の裏まで手が届くこと。そして、力加減がしやすい。何より、バスルームに置いて見た目もよし、使って気分良しなので、日本のこれからのお風呂文化にも、是非バスブラシを一本どうぞ!と声高にオススメしたいです。
エディター AIKA
大学卒業後、語学と服飾デザインを学びにパリへ。
バイトで始めた編集・ライターが本業になり、ファッションやビューティを中心に執筆。
週末は映画とビオワイン、パンがあれば幸せ。
瞑想とアーユルヴェーダが気になる。