SECRET OF KITOWA香りの秘密 VOL. 02 インセンススティックの魅力

2021.06.25

  • KITOWA
  • おうち時間
  • 香り
  • FEATURE

和木によるメイドインジャパンの香りで独自のフレグランスアイテムが話題の〈KITOWA〉。
香りの秘密に続く第二回目となる今回は、本サイトでも人気を集めているインセンススティックの魅力に迫ります。その魅力を生む背景には、想像を超える丁寧さかつクラフツマンシップにあふれた真摯なものづくりの姿勢がありました。

450年の歴史に裏打ちされたこだわりの逸品

〈KITOWA〉は第1回のインタビューでも触れられたように、1575年安土桃山時代に天皇へ香を納めていた名跡から歴史が始まった日本香堂が手がけているブランド。日本香堂と言えば、日本人なら一度は触れたことがある有名なお線香のメーカーとして知られています。つまり、〈KITOWA〉のインセンススティックは約450年に及び脈々と受け継がれてきた薫香技術によって生み出された特別なアイテムなのです。

まず、その特徴のひとつは香りを構成する独自のノウハウにあると、調香師である堀田さんは言います。 「例えばヒノキの香りのお香を作る上で、香りを引き立てるヒノキ以外の素材はものすごくたくさんあるんです。その素材自体の香りはしないんだけども、それが入っていないと香りに重さや深みが生まれず、飽きてしまう。そうした独自の配合や香りのノウハウが膨大に蓄積されているんです」

さらにその素材の配合技術もブランドならではのものだそう。「〈KITOWA〉のインセンススティックには実際の精油を使っているのですが、例えばクスノキだったら、屋久島のクスノキの木を実際に粉砕した荒粉が練り込まれています。さらにその粉砕から練り込むまでの過程を全て自社製造で行なっています。そうした技術はなかなか他では難しいと思います」

ゆったりと煙をあげて優雅に燃え、はらりと落ちるスティックの灰。それを受け止めるオリジナルの肥前の白焼によるインセンスプレートも日本の美意識を感じさせる佇まいが印象的です。〈KITOWA〉ではスティックを太めに作ることで、香りをしっかりと立たせて約30分の燃焼時間後にも香りが残るように、残香性もこだわりが。その話を実証するように、撮影時に灯したスティックは1本でも広いショールームを香りで充分に満たしていました。

有田焼の中でも、佐賀県の嬉野にある肥前の白焼の窯元に依頼したこだわりのインセンスプレートは、その燃える姿を美しく魅惑的に見せています。

職人の肌感覚と手仕事で生まれるインセンススティック

歴史とこだわりが詰まったインセンススティックの製造過程は驚くほどアナログ。機械は導入しているものの、生地の練り上げ、裁断、梱包など、主要なパートは全て職人たちの手仕事によるものなのです。

特に熟練した職人技と言えるのが、ベースとなる生地の制作。さまざまな原料の粉を香料と水とともに練り上げる作業において鍵を握るのが、その水加減。夏と冬で全く異なる水加減の調節や判断は規定のルールブックがあるわけではなく、職人の手の感覚に委ねられている。まるで日本酒の杜氏を思わせるその肌感覚は、10年くらいの鍛錬によって磨かれるそう。

乾燥させる過程でも24時間体制で人の目が見守り、完成したスティックを六角形に整える作業でさえも人が行なっている。こうした職人の身体知によるお香作りが400年以上も途切れることなく伝承されてきたと考えると、彼らのプライドと時を超えたロマンを感じずにはいられません。

〈KITOWA〉のインセンススティックがオンリーワンの特別な香りを放ちながら、まるでその空間を浄化するように美しい煙を立てながら燃えるのは、そんな職人たちの匠の技と歴史が作り上げたものなのです。

原料となるさまざまな粉をブレンドし、そこに香料と水を加えて粒の大きさが整うように丁寧に練る。仕上がりの状態はその日の湿度や温度によっても微妙に異なるため、職人が触ってその経験値で完成かが判断されている。

完成した生地を押し出し機に流し入れスティック状に成形。 出てきたスティックをカットし、板の上に乗せる作業も全て手仕事で行われている。

カットされたスティックは1〜2日ほどかけて乾燥される。乾燥状態をチェックするために24時間見守り体制があるというのも驚き。

最終的に仕上がったインセンススティックを手仕事で六角形に整える。この六角形の成形も難しく、工場でこの作業ができるスタッフは1人しかいないそう。

取材をする前も〈KITOWA〉のインセンススティックは知っていて、その香りも素敵だなと思っていたのですが、正直なところちょっとお高いなあと思っていました。しかし取材を経て、その天然素材へのこだわりやこのAI化が叫ばれる現代において、ストイックなまでに手仕事にこだわり、手間暇をかけてひとつひとつの商品を生み出していることを知り、むしろもう少し高くてもいいのではと思っている自分がいました。集中したい時、気分を変えたい時、リラックスしたい時、ぜひ〈KITOWA〉のインセンススティックを灯してみてください。優しく包み込まれるような感覚に心ときほぐされ、リフレッシュできるはずです。




TEXT: AYAKO UENO
PHOTO: JUN NAKAGAWA

  • SECRET OF KITOWA香りの秘密 VOL. 01 調香師が語るKITOWA

    古来より日本人の生活に寄り添ってきた和木にフォーカスし、メイドインジャパンの香りの世界がデビュー以来、注目を集めている〈KITOWA〉。人気のインセンススティックやフレグランスなど、私たちの心をキャッチするその独特な香りの秘密やプロダクトの独自の製造工程を2回に分けて公開します。

    KITOWA おうち時間 香り FEATURE

KITOWA LINE UP

  • クリスマスに贈りたい、とっておきのギフト2025

    一年でいちばん心が弾む季節に、とっておきの贈り物を。お世話になったあの人に、自分自身に、大切な人に……。気分や予算に合わせて、クリスマスを華やかに彩るギフトを見つけてみませんか。

    GIFT FEATURE
  • こだわり派スタッフの、バッグの中身を大公開!

    毎日持ち歩くバッグの中には、それぞれのお気に入りやこだわりがぎっしり。Life&Beauty by JUN ONLINEスタッフ5名の、個性豊かなバッグの中身をお見せします。

    FEATURE BAGGU DIDION bobe SEORii VENUMENT molvany a.o.e organiccosmetics Pororoca Topologie versatile paris TAU Sudio
  • 12星座別 真木あかりの新月占い 2025年11月

    1ヵ月の節目でもある「新月」にスポットを当てて、占い師・真木あかりさんが12星座別に開運ヒントをアドバイス。2025年11月20日(木)の新月は、蠍座の位置で起こります。“過去”がキーワードとなりそうな今回の新月、いいスタートをきるためにできることとは?

    FEATURE 連載 占い
  • 今月の欲しいものリスト 2025年11月編

    気温が下がり、ぬくもりが恋しくなる11月。今回は、家で過ごす時間をもっと好きになれる、シーズンムードたっぷりのアイテムをピックアップしました。
    灯りを楽しむキャンドルや、お部屋を彩るインテリア小物、乾燥から肌を守るケアアイテムまで。心と体をやさしく癒し、冬の訪れを楽しませてくれるラインナップをお届けします。

    FEATURE 連載 MONTHLY RECOMMEND HERE by DETAIL KUJIME beej BAGGU molvany Danlow MOON PANTS
  • 私の“推しポイント”はこれ! スタッフの本命ハンドクリーム

    乾燥が気になる季節、手放せないのがハンドクリーム。
    今回は、Life&Beauty by JUN ONLINEのスタッフ5名が、それぞれの“推しポイント”で選んだお気に入りを一挙にご紹介! 香り、使い心地、保湿力……あなたはどれを重視して選びますか?

    FEATURE HAND CARE molvany a.o.e organiccosmetics O SKIN & HAIR RboW
  • 乾燥にも花粉にも負けない、“ゆらがない肌”のつくり方

    乾燥や花粉、急な気候の変化などの影響を受けて、肌がゆらぎやすい今の時期。心強い味方になってくれそうなのが、アダプトゲンハーブを取り入れ、肌と心をやさしく労りながらケアできる〈Pororoca(ポロロッカ)〉のスキンケアライン。
    Life&Beauty by JUN ONLINEスタッフからもラブコールが相次ぐアイテムで“ゆらがない肌”を手に入れて。

    Pororoca SKIN CARE BEAUTY FEATURE