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SECRET OF KITOWA香りの秘密 VOL. 01 調香師が語るKITOWA

2021.06.18

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古来より日本人の生活に寄り添ってきた和木にフォーカスし、メイドインジャパンの香りの世界がデビュー以来、注目を集めている〈KITOWA〉。人気のインセンススティックやフレグランスなど、私たちの心をキャッチするその独特な香りの秘密やプロダクトの独自の製造工程を2回に分けて公開します。

お話を聞いたのはこの方

堀田龍志さん
香料会社でキャリアをスタートさせ、さまざまな香りの世界を追求。その後大手の化粧品メーカーでフレグランスをはじめ多くのプロダクト開発を手がける。日本香堂主任調香師、また〈KITOWA〉の調香師として、世界からもラブコールを集めるメイドインジャパンの独自の和木の香りを生み出した。

メイドインジャパンの香りを生み出す

——〈KITOWA〉というブランド誕生の経緯を教えてください。

〈KITOWA〉というブランドのバックグラウンドとなる母体には、日本香堂という会社があるんです。お線香のイメージが強いかと思いますが、創業は1575年で約450年に渡り、日本の香文化を牽引してきました。 改めて今市場を見渡した時に、素材としての良いマテリアルはあるのに日本生まれのフレグランスブランドはほとんどないんです。そうした中で日本発の日本の香りを作りたいと思い生まれたのが〈KITOWA〉です。


——なるほど、メイドインジャパンの香りにこだわっているんですね。〈KITOWA〉は木をなぜヒノキ、クスノキ、ヒバという和木にフォーカスしているのですか?

日本人は古来より木と共に生きていて、長い歴史の中で木が生活の中に浸透しています。 中でも最近は、西洋には見られない和木の良さみたいなものが見直されてきています。和木の中でも、ヒノキやクスノキは古来より“神聖な木”として日本人の中で敬われ、ヒバは生活の中で深く関わってきました。〈KITOWA〉を立ち上げる時に、単にヒノキオイル、クスノキオイルといったようなものではなくて、もう少し深いところにある日本の精神性みたいなものまで取り込んだブランドにしたいという思いがあったんです。ヒノキ、クスノキは御神木として敬われ、ヒバは日本人の日常の中で親しまれてきた歴史を持ちながら、それぞれ香りや魅力に差別化ができるキャラクターがあったことなどを鑑みて、3種類にフォーカスしました。

3つの和木が織りなすオンリーワンの香り

——3つのそれぞれの香りの魅力やフレグランスに落とし込む時にこだわった点などを教えてください。

ヒノキは3つの木のなかでも、神聖さを持っているのが香りの良さとしてあると思うので、爽やかな香りの中にもそうしたスピリチュアルな感覚を感じ取れるような香りに仕上げました。 三重県産のヒノキオイルに、フレッシュな香りが特徴的な糸杉から採れるサイプレスという精油をブレンドしています。ブレンドすることで、ヒノキの香りをより早く爽やかに感じていただくことができるんです。トップノートは、サイプレスを含む爽やかな香りがして、ミドルでヒノキの香りが際立ち、最後は白檀の香りと溶け合いながら肌の上でパウダーのような白っぽいイメージで肌に残るような香りに設計しました。


——気持ちが浄化されるような清潔感を感じる香りがしますね。クスノキに関してはいかがですか?

樟脳を取る香木として使われていたクスノキは、非常に爽やかな香りというところが特徴であり、キーポイントです。その爽やかさを表現するために、屋久島産のクスノキオイルに柑橘系の香りを混ぜ込むことで、非常にフレッシュに感じていただけるようにしています。つけて4~5分くらいの間に出てくる香りとしてはクスノキをフィーチャーするためにブレンドしたシトラス系のグレープフルーツとかオレンジがアクセントに。ラストノートに向かっては、クスノキの香りをある程度残しながら、クスノキの違った側面を見せるためのジャスミンのフローラルな香りが隠し味になっています。


——とてもフレッシュな香りで、これからの季節にも良さそうですね。最後のヒバは他の2つに比べてどんな特徴があるのでしょうか?

ヒバは他の2つに比べてぬくもりと重厚感のある香りが特徴になっています。重厚感は欲しかったのですが、重くなりすぎないようにバランスに気をつけました。重厚感の中に上手に甘さを表現するという意味で、ムスクを使ったりしています。ヒバオイルは日本三大美林のひとつでもある青森県産のものです。つけたてはウッディな香りにティーツリーなどで清々しさをプラスした香りが広がって、ラストに向かってアンバーやムスクなどの甘くあたたかな余韻が贅沢に広がります。

試行錯誤の上に生まれた和木の香り

——香りを生み出す上で特に苦労したことはどんな点ですか?

先ほどスピリチュアルなイメージという話をしましたが、ヒノキに代表されるように神聖な木は白木が多いんです。そうした白木のイメージを香りの上でどのように表現するのかっていうところに結構苦労しましたね。


——確かに、白木の神聖さを表現するのは難解ですね。海外ブランドのウッディ系の香りとの線引きはどういったところに気を配られたんでしょうか?

基本的には甘くならないようにというところに気をつけました。和木のエッセンスを国産のいい素材を厳選することに加えて、ヒノキであれば白檀、クスノキであればグレープフルーツといったように和木と一見共通点がないように思われるけれど、実際は相性のよい香原料を自分の中で吟味して作り込んでいきました。

歴史あるバックグラウンドがあってこそ生み出せる

——ブランドの背景に日本香堂があることは、今回の〈KITOWA〉にどのように反映されているのでしょうか?

私は日本香堂に入社するまでに、香料会社や大手化粧品メーカーなどでキャリアを積んできました。約40年に渡り香りの仕事に携わっていますが、他社に比べて日本香堂は天然香料をとてもふんだんに使っています。天然香料は高いので、人工的な合成香料を使う会社は多いのですが、要は素材にこだわって贅沢に使用しているんですね。いい素材でいいものを作ろうという文化が会社に根付いているんです。ですから、素材の買い付けにも目利きが光っているし、〈KITOWA〉の香木の買い付けにおいても同様です。また、そうした天然原料を安定的に確保できるというのも実は結構重要で、いろんな世界各国の天然のマテリアルを安定供給できる流通網も1つの強みかなと思います。

——そうなんですね。長い創業の歴史を持つ会社だけに受け継がれている文化があるんですね。

歴史がものすごくあるので、例えば私なんかが経験できなかったいわゆる古のレシピみたいなものを拝見する機会もあります。そういう意味でもとても勉強にもなりましたね。


——〈KITOWA〉の香りをどのように楽しんでほしいですか?

フレグランス以外にも、インセンススティックやバスオイルなどさまざまなアイテムがあります。今のような状況には香りによる気分転換も生活のなかで重要だと思うので、和木ならではの香りを気軽に楽しんでいただきたいです。

洗練されたパッケージと独自の香りで、私自身興味津々だった〈KITOWA〉の世界。銀座にあるショールームにお邪魔すると、今では手に入らないという驚きの価値を持つさまざまな和木が飾られ、会社に伝わる古文書の複製なども見せていただき、脈々と続く歴史の上にこの香りたちが生まれたのか、となんだか胸が熱くなりました。家に帰ってお土産でいただいたクスノキのバスオイルを垂らしたお風呂へ浸かると、豊かな香りが広がりいつものバスタイムが本当に至福の時間に。香りの歴史と力をあらためて感じた1日でした。




TEXT: AYAKO UENO
PHOTO: JUN NAKAGAWA

エディター AYAKO

雑誌のビューティ担当などを経てフリーに。気になるコスメや美容法はすぐにトライする派で最近はインナービューティに興味津々。
料理と美味しいお店探しも大好きな食いしん坊。

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