LONGLEAGE東條汀留が教える人生がときめくネイルケア
2021.01.29
サロンをオープンして以来、延べ100万人以上の爪を見てきたネイルサロン「LONGLEAGE」代表の東條汀留さん。ネイルケアを通じて、健康的な指先はその人の所作を美しく変化させ、心までときめかせるパワーを持っていることを伝え続けています。東條さんが教えてくれるネイルケアの理論や方法はシンプルかつ明快。マスクに覆われて、見えないパーツが増えてしまった今だからこそ、目でも楽しめる爪先に美を宿してみませんか?
爪の形と質はケアで変えることができる
健康的な自爪の美しさを提唱しつづけてきた東條汀留さん。35年を超えるキャリアを通じ、一貫して訴え続けているのは、爪の“形”と“質”は変えられるということ。
「お客様のほとんどが、『私の爪は弱いから伸ばせないんです』っておっしゃるのですが、そうでもなかったり、傷んでいないのにそう思い込んでいらっしゃる方も多いです。ネイルケアといっても目的は2つ。爪の形と質を変えることなんです」
自身のサロンでは、爪先の角を丸めてサイドをまっすぐ伸ばす「ラウンドスクエア」という爪の形を提唱。この形を維持することで、爪に丸みが生まれ、立体的になることで衝撃に強く割れにくい爪へと変化していく。
「みなさん爪に強固さを求めがちなのですが、実際はその逆。爪は“柔軟さ”が大切なんです。人間も柔軟な方が怪我しにくいのと同じで、爪も柔軟性がある方が折れにくい。長さを保つことで、爪の裏側の皮膚も伸び、さらに強くなるんです。爪は健康に準じて変化するものだからケアが大切です。歯を磨くのと同じように、爪も磨いていただけるといいですね」
爪を整えることは心にも作用する
美しい指先はその人を美しくみせるだけでなく、所作までも変化させる。「爪がある程度長いと乱雑にものをつかんだりできないですよね。自然と動作も美しくなっていくんです」
さまざまな悩みを持ったお客様との出会いが、東條さんがケアの大切さを訴え続ける原動力にもなっている。
「印象的な方のひとりに、睡眠下での無意識の爪噛みが原因で、爪が真っ黒になってしまったお客様がいました。病院でも治らず、黒い爪を見られたくないあまりに外食なども控えていらっしゃいました。でも、1年かけてサロンで丁寧にケアを続けたら、綺麗に治ったんです。『これで食事に行けるわ』って心から嬉しそうにおっしゃって、私もとても嬉しかったですね。そうした方々に会わなかったら、私はこんなにケア、ケアと言ってないかもしれません」
ケアの大切さを伝えるプロダクトたち
「商品を作ることで、ネイルケアの大切さを伝えるきっかけになれば」と、自ら商品開発にも着手。
時間に余裕がない人でも爪を守って欲しいとベースコートや美容液が、なるべく早く乾いて欲しいというお客様の声に応えて、速乾のトップコートが誕生。新たに発売される甘皮ケア用のプッシャーも東條さんならではのこだわりが詰まっています。
「持ち手の部分は1本1本職人さんが削り出しているんです。とっても難しいみたいで、できないと言われたんですけど無理を言ってお願いしました(笑)。通常プッシャーはメタルが多いのですが、金属だと上下にしか押せない。甘皮は絶対上下に押しちゃだめなんです。回転させないとかえって痛めちゃう。これは、回転しやすく作られていて、お店でスタッフも実際に使用しているものなので、ご自宅のケアでもぜひ使ってみていただきたいです」
【LONGLEAGE】キューティクル プッシャー 3,850円(税込み)
健康な爪を育てるために欠かせない甘皮のケア。甘皮や爪に沿って伸びてくるルーズスキン(爪の角質)をやさしく取り除くツールです。プッシャー部分にジュラコン樹脂※を採用。爪を傷つけにくく、ペン自体の重みで力をいれずに、爪表面のルーズスキンをやさしく押し上げられる、プロ仕様にこだわった設計です。
ニューノーマル時代に美しい手元を保つには
昨年から一変したわたしたちの生活。度重なる消毒が乾燥を引き起こし、ネイルケアの重要性はさらに高まっています。ニューノーマル時代のハンドネイルケアについて尋ねると、自身が手がけたマジックウォーターを自信を持って推薦してくれました。
「そもそもはサロンの手指消毒としてアルコールの代用品として生まれたものなんです。アトピーを持つスタッフやアルコールが使えない方にも安心です。強酸性水なので乾燥してアルカリ性に傾いた肌を急いで酸性に戻してくれるんです。消毒で荒れてしまっている方にもぜひ使っていただきたいですね」
そう語る東條さん自身はスキンケアをマジックウォーターのみだそうで、ご覧の通りつるりととても綺麗なお肌。「今はコロナ禍もあり、サロンに通えないお客様も大勢いらっしゃるかと思います。だから、こうしたプロダクトを使っていただくことによって、ネイルケアなどをご自宅で続けていただいて、状況が落ち着いた際にはサロンにもいらしていただけたら嬉しいなと思います」
私は実際に「LONGLEAGE」に通っています。恥ずかしながら幼い頃から爪噛み癖があり、サロンに通う以前は、表面が波打っていたり、変形していたりとコンプレックスのパーツのひとつでした。サロンに通うようになってから、東條さんがおっしゃるように本当に爪の形や質が徐々に変わっていったのです。爪に悩む方には特に、東條さんのお話を通じてネイルケアに興味を持ってもらえたら嬉しいです。次回は、実際のネイルケアのやり方をお伝えしますので、ぜひトライしてみてください。
TEXT: AYAKO UENO
PHOTO: SOICHI ISHIDA
エディター AYAKO
雑誌のビューティ担当などを経てフリーに。気になるコスメや美容法はすぐにトライする派で最近はインナービューティに興味津々。
料理と美味しいお店探しも大好きな食いしん坊。