
FOOD&WINE知れば楽しいマリアージュの世界へようこそ
2020.12.11
これからの季節はホームパーティや外食などでワインを口にする機会もぐっと増える頃。ワインと食のマリアージュを知ると、ワイン選びや食事がもっと楽しくなります。難しいウンチクではなく、なるほどと思えるお酒とフードの合わせ方を人気ビストロ「SALON BUTCHER & WINE」のソムリエが教えてくれました。コツさえつかめば、見えてくるマリアージュの世界。知れば知るほど、わくわくすること間違いなしです。
スターターは同調のペアリングでさっぱりと

お酒と食事のマリアージュを考える時にベースとなるのが、それぞれの五味(甘味・旨味・塩味・酸味・苦味)。例えば、フードが旨味や塩味、甘味が強かった場合は、お酒でそれ以外の部分(酸味・苦味)を補完するようなペアリング。もしくは、同じ味で方向性を合わせる同調のペアリングという2つの考え方で選んでいくとわかりやすいそうです。写真のシャトージュン スパークリングとピクルス、キャロットラペの組み合わせは、同調のペアリング。野菜の甘味と酸味にリンクしたスパークリングが、料理に爽やかに寄り添ってくれます

シャトージュン スパークリングは、山梨県産甲州を使ったフルーティな甘味が特徴。ワインの苦味や渋みが苦手という人にも飲みやすい入門編のようなスパークリングです。そのため、お店でも人気No.1でホームパーティのおもたせにも最適。華やかな乾杯シーンを演出してくれるはずです。フードとともに味わうと料理の主張や特徴を感じながらも、口の中で弾ける軽やかな泡でするすると飲めてしまう、ある意味キケンなお酒でもあります。
旨味と酸味が織りなす補完的マリアージュ

ワインとの相性抜群なフードの筆頭とも言えるレバーパテ。「SALON BUTCHER & WINE」のパテはしっかりとした塩味と玉ねぎの甘味が感じられる一品でも満足感のあるメニュー。口の中いっぱいに広がるパテの旨味を、酸味でほどよく引き締めてくれるのが、白ワインのシャトージュン甲州。この組み合わせは、それぞれの五味を補いあうような補完のペアリングになっています。ワインの酸味で広がる旨味を抑えることで、次の料理にも手が伸び、箸が止まらなくなってしまう組み合わせです。

傑出したワインを生み出すワイナリーに贈られる「日本ワイナリーアワード」で四つ星を獲得したシャトーを代表するシグネチャーワインであるシャトージュン甲州。洋梨やメロン、柑橘の花を思わせる上品な香りが特徴です。とてもさっぱりしている飲み口で、繊細な料理を邪魔せず、濃厚な一皿には口の中のリセット役に回ってくれる使い勝手の良い白ワイン。夏にはキンキンに冷やして飲むのもおすすめです。
お互いを尊重し、より複雑な大人の味わいへ

国産牛100%を使用した粗挽きのハンバーグは、ステーキダイナーを思わせる肉々しさを感じる食べごたえ抜群の一品。フォンドボーと赤ワインによる濃厚なステーキソースの旨味とジューシーな肉汁が口いっぱいに広がります。スチーム野菜の甘味は優しい箸休めに。旨味、甘味、塩味たっぷりのハンバーグに、苦味、酸味を加えてさらに大人っぽい味にアレンジしてくれるのが、シャトージュン 山ソーヴィニヨン。料理とワインがお互いに支え合い、口の中でより複雑な味わいと余韻を楽しめるペアリングです。

日本特有のぶどうである山ぶどうと、酸味と渋味が特徴の品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンを交配させることで生まれたシャトージュン山ソーヴィニヨン。フルーティな味わいに、ワイルドな苦味と個性的な酸味を持つ山ぶどうのアクセントが独特の味わいで癖になる一本。ドライフルーツのような凝縮感のある香りで、肉料理はもちろん、和食にも相性の良いワインです。
筆者は、ワインもフードも大好きなのですが、今までペアリングはあまり意識せずにいました。というよりも、敷居が高いかなと思ってあきらめていたというのが正直なところです。しかし、今回、とてもわかりやすくペアリングの考え方を教えてもらったことで肩の力を抜いて楽しめるように。今までなんとなくオーダーしていたワインも、マリアージュを予想しながら頼めるようになり、さらに食事が楽しくなりました。ぜひ、みなさんにも今回のペアリングの考え方を参考に、試していただけると嬉しいです。
PHOTO: SOICHI ISHIDA
TEXT: AYAKO UENO

エディター AYAKO
雑誌のビューティ担当などを経てフリーに。気になるコスメや美容法はすぐにトライする派で最近はインナービューティに興味津々。
料理と美味しいお店探しも大好きな食いしん坊。