NAOKO KUROISHI 黒石奈央子に訊く、ライフスタイルとこれまでの軌跡
2020.11.05
オリジナルブランド「Ameri」とヴィンテージショップ「Ameri Vintage」のディレクターでありCEOの黒石奈央子。トレンドをキャッチしたデザインと程よい高級感、そして地に足のついた価格帯が魅力で、20〜30代の女性を中心に絶大な支持を得ています。そんな彼女がビジュアルディレクションを手がけたアイクリーム「LOWAN」が、Life & Beauty by JUNONLINEで11月6日(金)より発売。第一弾インタビューでは彼女のキャリアとライフスタイルについて語ってもらいました。
——ファッションの仕事を始めたきっかけを教えてください。
「大学生のときに販売員として、大阪の人気アパレルショップに勤務していたんです。当時はカリスマ店員最盛期。モデルのような容姿のスタッフが多く、それに憧れてお店で働きたいと思いました。華やかな人が多かったので、最初は怖かったのですが、仲間になると体育会系で結束力があり、すぐやりがいを感じるように。学生だったので、週に2、3日しか働いていなかったのですが、洋服を売る仕事を知ったいい機会だったと思っています」
——その後、どのような変遷を経て現職に就いたのでしょうか。
「就活をしたのですが、ファッション業界で働きたいと思いが強くなって。どんな仕事が世の中にあるかリサーチをしたいと一念発起し、休学して上京しました。半年間、東京で生活をしながらインターンや仕事探しを経験しました。その頃に、販売員時代の先輩に新しいブランドを始めるから手伝って欲しいと言われ、アパレル会社に就職。商品管理の仕事をしながら、新しいブランドだったということもあり、ありとあらゆる仕事を任され、試行錯誤の毎日でした。二ヶ月で感性の部分を評価していただき、VMDのポジションへ声がかかったんです。仕事の内容としては、ファッションデザイン以外のデザインやアートディレクション。ウェブストアや内装、ディスプレイ、ノベルティなどの販促物の製作を担当しました。イラレやフォトショップを勉強しながら、企画、生産、納品までを手掛け、ノウハウを習得し、ものの作る工程を一通り知ることができました」
——20代から30代になり、ご自身のメイクアップに変化はありましたか。
「販売員のときは、濃いメイクアップが良しとされる時代だったので、目に重点を置いたポイントメイクをしていました。つけまつ毛や太いアイラインが当たり前。いまは、年齢というよりもトレンドの影響もあり、ナチュラルな仕上がりのメイクに。いまは若い子たちも韓国の流行で目の周りは自然で素肌を生かしたメイクが主流ですよね。30代はシミや皺が出てくる年齢ですが、メイクで隠すよりもありのままを見せる薄めのメイクアップが気分です」
——ファッションに関してはいかがでしょう。
「販売員をしていたときは、シャープでモードな世界観が売りのブランドに勤めていたので、モノトーンがメインのスタイリングをしていました。個人的には、鮮やかな色やカジュアルな服装、ヴィンテージのアイテムなど多岐にわたって好きなものがありました。前のブランドを辞めて、改めて好きなファッションを見つめ直したときに、ジャンルを限定するよりもいろいろな服装をしたいと思ったんです。女性らしい服もラフでカジュアルなアイテムもあっていいんじゃないかなと。それは、Ameriのブランドコンセプトにもつながっています」
——Ameriはどのようなアイテム展開が特徴ですか。
「私自身を含む女性はその日の気分によって、着たい洋服のテイストが変わると思うんです。カジュアルなデニム、モードなスタイル、ヴィンテージ、仕事をしている場面ではシンプルな服装の方がしっくりくることもあります。そんな普遍的な女性の趣向に思いを巡らせて、幅広いジャンルのアイテムを提案しています」
——普段のアクセサリー使いはどのように使い分けていますか。
「アクセサリーは服に合わせて、シルバーにするかゴールドにするか決めています。朝起きて洋服をスタイリングしてから、最後に選びます。楽しんでいるのは、重ね付けやインパクトのあるデザインのもの。手元は、ネイルサロンに月1で通い、ジェルネイルを欠かさずしています。いまは、シルバーにもゴールドにも合う、オパールの粒子感があるカラーにしてもらっています」
——自宅やオフィスのインテリアにまつわるこだわりを教えてください。
「空間のデザインやインテリアは大好きで、特に気に入っているのがモダンな雰囲気のもの。温かみのある色やアイテムとモダンな要素があるものをミックスしてバランスをとるようにしています。ベーシックな色を基調に、木やグリーンなど植物の要素を入れることも大事。アンティーク家具は意外と手元になく、現代的なデザインに惹かれます」
——忙しい中、オンとオフはどのように切り替えていますか。
「帰宅したら一番最初に着替えるようにしています。家で一切仕事をせず、オンとオフははっきり分けることがマイルール。部屋着に着替えた瞬間、自分の時間に切り替えることができます」
——休日はどのように過ごしていますか。
「お休みはたっぷり取ることを大切にしています。今年は海外に渡航できないので、北海道、山梨県、静岡県の下田、ディズニーランドに。毎年必ず行く海外旅行は、都市を巡るより見たことない景色を求めて自然が豊かなところ行きます。これまでで印象的だったのが、トルコとスリランカ。人工的な建造物はより、カッパドキアの高原が素晴らしい形式で心に残っています。海外のホテルステイで、空間デザインやインテリアを見るのも好きで、服作りのインスピレーションになることもあるんですよ」
第2弾インタビュー 黒石奈央子が語る、美容習慣とアイクリーム「LOWAN」に続く
PHOTO: SATOMI YAMAUCHI
TEXT: AIKA KAWADA
エディター AIKA
大学卒業後、語学と服飾デザインを学びにパリへ。
バイトで始めた編集・ライターが本業になり、ファッションやビューティを中心に執筆。
週末は映画とビオワイン、パンがあれば幸せ。
瞑想とアーユルヴェーダが気になる。