ANDSPACE / ReANDSPACE「duft」若井ちえみさんに聞く花の選び方・活け方
2021.07.16
花本来の美しさを引き立てるミニマルなデザインが魅力の花器ブランド〈ANDSPACE / ReANDSPACE〉。
おうち時間が増えた昨今、お気に入りの花器に花を活ける習慣ができた方も多いはず。
今回は、松蔭神社のフラワーショップ「duft」のオーナー、若井ちえみさんに、ガラスの花器に合った花の選び方、活け方を教えてもらいました。
ANDSPACE / ReANDSPACEとは?
植物をはじめとした自然物に魅せられ創作を行う「TOUCHU」が手がける花器ブランド。「ガラス」という素材にフォーカスし、2020年に花器・鉢のブランド 「ANDSPACE」 を、さらにガラス工場の片隅に眠る使われなくなった素材やパーツを用いて、新しい作品を作り出すサスティナブルライン「ReANDSPACE」を、2021年にスタートしました。
https://touchu.jp
フラワーアレンジメントを教えてくれるのは
若井ちえみ/duftオーナー・フローリスト
1986年生まれ。いくつかの花屋で経験を積んだ後、2016年に松蔭神社前に花屋「duft」をオープン。フローリストとしても、多数のファッション誌の撮影や店舗ディスプレイを手がける。
duft
Address.
東京都世田谷区4-13-20 松蔭PLAT 1-B
Instagram @chiemiwakai_duft
「one」を使ったアレンジメント
理化学ガラス職人の田村竜一さんとの出会いから始まった〈ANDSPACE〉。初めて発表された花器が、ミニマルなフォルムが美しい一輪挿し「ONE」です。試験管やフラスコなど理化学製品を製作する東京都江東区のガラス工場で、職人が一つずつ手作りで作り上げています。「どんな方でも使いやすい一輪挿しは、活ける花で個性を。茎の部分も美しく見せてくれるデザインを意識して、ミリオンバンブーを主役に。高低差をだして活けたアガパンサスと一緒に、不思議なバランス感を演出してみました」(若井さん)。
生けた花(左から):アガパンサス・ミリオンバンブー
「短針」「長針」を使ったアレンジメント
時計の長針、短針をイメージしたこちらのアイテムは、花を生ける口を側面と上面に兼ね備えた花器。2つの口に別々の花を生けたりと、ひとつの花器で様々な楽しみ方が出来るのが魅力です。「上部だけでなく、斜め横にも花を生ける口があるのが本当に便利ですね。茎の太ささえあれば、どんな花でも挿しやすいですし、ある程度高さがある花でも安定します。穴が花の向きを自然と誘導してくれるのもいいですよね。今日は思い切って高さをだしたアレンジに。ルールはないのですが、花瓶に対して1:1、7:3、2:3くらいのバランスで生けると、バランスよく仕上がります」
生けた花(左から):三時草、サンダーソニア、グロッパ、キキョウ、パピルス、エキナセア
「カモメ」「スズメ」を使った
アレンジメント
すらっとした足長のカモメをイメージした花器(左)と、ころんとした丸い形に短い足がチャーミングな「スズメ」。「初夏のお花を中心に、繊細な色や形の花をアレンジしてみました。どこか無機質さもあるデザインなので、潔い直線のアリウムを「カモメ」に挿してみました。生ける口が茎にフィットしていれば、高さのある花でもすんなりまとまります」
生けた花(左から):アリウム、アマランサス、アンスリウム、トリトマ
「a」「水たまり」を使った
アレンジメント
アルファベットの「a」のようにも見えるクルリと飛び出たガラス管がアクセントの「a」(左)と、輝く水の表情とたゆたう影のうつろいが楽しめる「水たまり」。「浅い器で広い口のものは、できるだけ短く切って生けるのがおすすめです。ユーロのように大きい花でも躊躇なく茎をカットしてみてください。丸みがある花器だと、花を生けた時に滑ってきてしまうのですが、口ぎりぎりくらいで短く切るとぐっと生けやすくなりますよ」
生けた花(左から):ユリ、グリーンスケール、クロコスミア、ベロニカ
これからの季節、お部屋にすずしげな彩りを与えてくれる〈ANDSPACE / ReANDSPACE〉の花器。朝、いつもより少し早く起きて、お気に入りの花器に花を生けてみる。生け方や選び方は自分のセンスの赴くまま。色とりどりのお花と向き合う時間を毎朝のルーティーンに加えてみては?
TEXT: Life&Beauty by JUNONLINE
PHOTO: SOICHI ISHIDA