HOME CARE LESSONパーソナルスタイリスト 伊藤順子さんと考える、 秋冬服のホームケア
2023.09.29
ファッションがより一層楽しくなる秋冬の季節。お洋服のディテールや素材を楽しめる分、自宅でのケアが難しい衣類が増えることも…。そんな秋冬衣類のホームケア方法をパーソナルスタイリストの伊藤順子さんに教えてもらいました。スチーマーで上手にシワを伸ばす方法など、Life&Beauty by JUN ONLINEのアイテムとともにご紹介します。
パーソナルスタイリスト・伊藤順子さん
パーソナルスタイリストとして一般のお客様を対象にアドバイスを行う。俳優のスタイリングにも挑戦中。トレンドに敏感で大のショッピングラバーでもあるが、物持ちがよく20年、30年選手の愛用品も多数所持している。持ち前の嗅覚で衣食住の情報にも精通。
スチーマーとアイロンの二刀流が叶う【STEAMERY】のアイロンは
素材や用途によって上手に使い分け
Q1. 〈STEAMERY(スチーマリー)〉のアイロンは、アイロンとスチーマーのハイブリッドタイプですが、素材によってどのように使い分けると洋服を長持ちさせることができますか?
A. 私は、シワを伸ばしプレスして折り目を付けたい時にはアイロンを。シワを取りたいだけの場合はスチーマーを利用しています。カシミアやモヘアなどはアイロンでは繊維が寝てしまうのでスチーマーの方が適していますし、アタリが出やすい素材などもスチーマーがおすすめです。
Q2. スチーマーを使って洋服の気になるニオイを取り除く方法を教えてください
A. たっぷりスチームし、風通しのよい場所で乾かすとよいでしょう。 ディナーから帰宅後、服についたニオイが気になるという経験をされた方は多いと思います。一晩バスルームに吊るしておけばニオイは取れますが、一晩も待てない!という時はスチーマーがおすすめです。
Q3. 洋服をハンガーにかけたままシワを伸ばすことができて便利なハンディタイプですが、アイロン台がなくても上手にシワを伸ばすコツはありますか?
A. 裾や袖を軽く引っ張り、負荷をかけた状態でスチームを掛けるとキレイにシワを伸ばすことができます。また、ミトンとスチーマーでサンドして使用するとより強力にシワを伸ばせます。とくに、肩まわりをきれいに見せるには、厚みあるハンガーに掛けた状態でスチーマーするのがおすすめ。それでも肩周りが平坦になりがちなので、前後の肩山と袖山に一スチームすると立体になって綺麗になりますよ。
Q4. シルクなどのデリケート素材を傷めずにアイロンする方法を教えてください
A. 適温を守るのが鉄則。直接アイロン面を服につけず少し離した状態で使用しましょう。 …というのが一般的ですが、私自身、エルメスのスカーフをジャブジャブ洗い、アイロン掛けされている方の存在を知ってからは、それほど過保護にする必要もないのではと、コットンと変わらないテンションで扱っています。シルクと言っても張りのあるものから滑らかなものまで素材感は多様ですが、多少ハードに扱ってもOKなものは、温度や扱いに過敏になりすぎず、アイロンやスチーマーを使って気楽にケアしています。
コードレスでもパワフルな【STEAMERY】の毛玉クリーナーに感激!
Q1.
パワフルな〈STEAMERY〉の毛玉クリーナー使ってみての感想・使い方のコツは?
相性が良い素材や使う際に注意したほうがいい点はありますか?
A. 今回はローゲージニットで試してみましたが、円を描くようにシェービングすると、大きめの毛玉もおもしろいように取れ、毛玉’sハイになりそうでした。薄手のニットやタイツなどは当てすぎると素材を傷つけてしまう場合があるので、平らに伸ばし、毛玉ができている箇所にピンポイントであてるのがよいでしょう。また、コードレスなのでどこでも使えてとても便利。コードレス=馬力がない説を信じていましたが、〈STEAMERY〉の毛玉クリーナーを使ってみてその印象が覆されました。
Q2. 着れば着るほど毛玉が増えていくニットですがどのくらいの頻度でケアすると長持ちしますか?
A. 同じようなニットでも毛玉が出来やすいものとそうでないものって分かれますよね。ジャケットやコート、ボトムスの組み合わせでも千差万別です。服ごとの特性を理解し、毛玉が目立ってきたらケアするのがよいかと思います。毎日ケアする必要はありません。
【STEAMERY】のヴィーガンクロージングブラシはウールやデニムと好相性
10年以上愛用している【GREEN MOTION】のエコランドリーリキッド
Q1. 〈GREEN MOTION(グリーンモーション)〉のエコランドリーリキッドの気に入っているポイントを教えてください。
A. エコランドリーリキッドは香りのマイルドさと泡切れの良さ、通常のお洗濯に加え手洗い用としても使える二役振りで、10年以上愛用しています。 香水やボディケアアイテムで香りを楽しむため、それらと調和するランドリーリキッドはマスト。ラベンダーなどの天然精油が控えめに香り、奥ゆかしく都会的に感じます。 また、非常に泡切れがよいのも気に入っているポイントで、通常すすぎは1回でOK。さらに手洗いもできるという! 手洗いって面倒に思っていましたが、泡切れが良いだけで一気にハードルが下がりお手入れが楽しくなりました。
Q2. アイテムに応じて、洗い方で意識されていることはありますか? また、手洗いの際のポイントは?
A. どんな素材でも直に洗剤をつけることはせずぬるま湯に溶いて洗います。薄手のものは特に気を遣いますね。基本を守って、極力伸ばさないように優しく押し洗いです。
Q3. 秋冬衣類を洗濯するとき、とくに注意することはありますか?
A. 30度くらいのぬるま湯で洗い、タオルで押して脱水。平干しがベストですが、難しい場合は型を整えて適切なサイズのハンガーに掛けましょう。 トップスは肩に厚みのあるハンガーに掛け、袖が伸びないようX掛けに(左袖は右肩へ、右袖は左肩へ)。着丈が長く伸びる恐れがある場合は、裾を別のハンガーに掛けて重さを分散させると良いでしょう。
Q4. 環境にやさしい〈GREEN MOTION〉の洗剤ですが、お洋服のホームケアで環境について意識していることはありますか?
A. クローゼットの除湿は使い捨てのものではなく、除湿機や天日干しして繰り返し使えるタイプのものを利用しています。以前は定期的に使い捨ての除湿剤を入れ替えていましたが、その都度大量に出るゴミに申し訳のなさを感じていました。繰り返し使えるタイプの除湿剤は日光に当てて干す手間はありますが、クローゼットのパトロールもできて一石二鳥だと思っています。
できるならクリーニングには頼らず自宅でケアしたいもの。面倒で難しいイメージだった秋冬衣類のお手入れも、扱い方さえ身につければ意外と簡単にケアできそう。まずは便利なホームケアアイテムや好みの香りの洗剤を見つけるところからはじめては? お手入れの時間を楽しんで20年、30年とお洋服を長持ちさせましょう。
PHOTO&TEXT: JUNKO ITO
PHOTO(PRODUCT): SOICHI ISHIDA