Life&Beauty by JUNONLINE

VOICE FROM YASMIN SEWELLフレグランスの常識を覆す、〈Vyrao〉設立者、ヤスミン・スウェルの言葉

2022.08.12

  • Vyrao
  • FEATURE

Vyrao(バイラオ)は、ネガティブなエネルギーを浄化する「ニューエイジ・ヒーリング」と代替療法をルーツにした「マスター・パフューマリー」を融合させ、2021年にロンドンで誕生したウェルビーイング・ブランド。このアイデアを構想し一つのブランドにしたヤスミン・スウェル(Yasmin Sewell)は、ファッション業界でキャリアをスタートし、後々ヒーラーに転向した女性です。彼女に、自身のライフスタイルやブランドの誕生秘話、〈Vyrao〉のアイテムについて話を聞きました。

ライフスタイルにおいて大切にしていること
“ウェルビーイング”の実現とVyraoのローンチ

——どのようなティーネイジャー時代を過ごされましたか。影響を受けたカルチャーがあれば教えてください。

「私にいちばんの幸せを与えてくれた土地、シドニーで育ちました。オーストラリアの自然と海はクリエイションに最も影響を与えているもので、私がエネルギーについて考えるきっかけになっています。10代のころはサーフカルチャーに夢中で、いつもファッションブランド〈MAMBO〉の特大サイズのTシャツを着ていました。サーフガールに憧れていたんです」


——ファッションに興味を持ったきっかけは?

「母です。80年代初頭、母は自分自身や娘の私に服を作っていました。今でも、タフタでボールガウンを縫っていたことを覚えています。自分自身をファッションで表現するとき、思い出すのは子供時代のこと。母の愛を感じる方法のひとつがファッションなんです」

——“ウェルビーイング”を意識するようになったのはいつ頃ですか。ご自身のライフスタイルになにか変化はありましたか。

「22歳のときに離婚、事業の失敗、そして母が重い病気になり困難な時期を過ごしました。そして、本格的に“ウェルビーイング”について学びたいと思い、最初に手に取った本がLouise Hayの『You Can Heal Your Life』でした。この本が素晴らしい出発点となり、今なお、学びの旅は続いています」


——どのようにヒーラーになりたいと思うようになったのでしょう?

「エネルギー療法によるヒーリングは、わたしの人生に大きな意味をもたらしました。世界が変化している今、我々は“意識の時代”の中にいると信じています。毎日手に触れるもののブランドには、何かしらその意識を創り出す深い意味と目的が必要だという強い気持ちが芽生え〈Vyrao〉を構想しました」

——香りと向き合うことで、ご自身にどんな変化がありましたか。

「気分を変えてくれたり、感情を整えてくれることです」


——ご自身が現在のライフスタイルにおいて大切にしていることは?

「家、お庭、子供、ボーイフレンド、友人たち、そして健康を何よりも大切にしています。 これらは私の人生に欠かせないものです」

気分に合わせ選ぶ5つの香り
Vyraoを通してのクリエイティブな表現


——ファッション業界で働いて得たことは、Vyraoに影響していますか。

「ブランドのクリエイティブなプロセスの大きな部分を占めていると思います。特に、メタバースでアバターのRæ(ラエ)を作成した際の作成プロセスは素晴らしいものでした。Ræは、私の頭の中にあるファッションそのものを体現しています」


——原料や動植物に対する考え、ポリシーを教えて下さい。

「人体や地球環境にダメージを与えない原料を使用することはマナーです。自然生態系の維持と生物多様性の保全をプライオリティーにしています。例えば、自生している有機サトウキビをアルコールとして使用したり、絶滅品種の危機にある植物は使わないようにしています」

——Vyraoのアイテムで最も気に入っているものは?

「すべてです(笑)。私自身は目的や気分に合わせて毎日使用しています。例えばデートで夜に外出するときは【Witchy Woo】、大切な会議の前は【Magnetic 70】、心とのつながりを感じたいときは【Georgette】、ストレスや不安、自己疑念を感じるときには【Free00】を使っています。エネルギーを一番感じやすい【I am Verdant】は常につけています。ちなみに、恋愛を求めている人には【Magnetic 70】を、人生に変容やひらめきを求める人は【I am Verdant】がおすすめです」


——プロダクト化するのが難しかったアイテムは?

「キャンドルです。貴重なオイルをはじめ、非常に高いレベルで持続可能な製品を実現するため、製造は困難で費用もかかりました」

——5つの香りをまとった時、ご自身がそれぞれの香りに感じるエモーションやフィーリングについて教えてください。

「【Witchy Woo】は、超自然的なパワーを得たマジカルなエモーション。【Free 00】はストレスや不安、自己疑念から解放されたセクシーなエモーション、【I am Verdant】はグラウンディング(人生とはしっかり地面を踏みしめて立ち、ときに迷ったり転んだり失敗したりしながらも明日に向かって歩みを進めること)するフィーリング。【Magnetic 70】は自分自身を守ってくれるスピリチュアルでとてもパワフルなエモーション、【Georgette】は自分の心とつながるフィーリングだと思っています」

Vyraoを支える3人の女性。
プロダクトを支えるユニークなアイデア

——調香師、リン・ハリス(Lyn Harris)、エナジストでIQM創始者のルイーズ・ミタ、クリエイティブディレクターのジェイミー・パールマン(Jaime Perlman)、それぞれの女性たちのクリエイションにおいてリスペクト、共感する点について教えてください。

「まずリン・ハリスについて。日本でも大人気の調香師だと思いますが、〈パフューマー H〉を主宰するフレグランス業界のアイコン的な存在で、素晴らしい女性です。〈Vyrao〉のプロジェクトをスタートするときに初めて彼女に会いましたが、プロジェクトに参加してくれるかどうか緊張したものです(笑)。彼女はすぐにプロジェクトを理解してくれました。〈パフューマー H〉と同じく真剣に取り組んでくれたこと、〈Vyrao〉のプロジェクトを楽しんでくれたこと、そして素晴らしい香水を生み出してくれたことに感謝しています」

「ルイーズ・ミタは、私の先生、パートナー、友人である、魔法のように魅惑的な女性です。〈Vyrao〉のプロジェクトをスタートするとき、まず相談したのが彼女でした。クインシー・ジョーンズやネルソン・マンデラなどに変化を起こしたヒーリングの力が〈Vyrao〉の土台となっています。IQMは彼女独自のエネルギー療法で、人の肌に直接触れることなくエネルギーの側面から問題を発見しクリアにしていくことで、その人が持つ本来の能力や才能を発揮させたり感情をサポートします。“ウェルビーイング”の手段としてフレグランスを提案するVyraoには最も大切なクリエイションです」

「ジェイミー・パールマンについては、とにかく常にクールな女性です。ファッション業界の持続可能性についての認識を高めることを目的とした最初の雑誌である『More Or Less』も発行しています。アナ・ウィンター(Anna Wintour)が信頼を寄せる彼女のクリエイティビティの高さは、ヴォーグですでに証明されていますが、アートディレクターとしての彼女の才能も素晴らしい。高いレベルで持続可能な製品を実現する〈Vyrao〉のパッケージやデザインには、彼女のクリエイションが最大限に活かされています」

——香りとヒーリング、デザインのバランスで大切にしていることは?

「これまでのフレグランス・ブランドには無かった、新しい要素。 そして重要なことは、すべての要素が最高かつ最も独創的なレベルで実現されていることです。それが、〈Vyrao〉が他のどのブランドとも異なる点です」


——リン・ハリスに調香を依頼する上で求めたこと、伝えたことはなんでしょうか。

「最初に5つの感情について話し合い、それらを効果的に引き起こす代替療法の伝統的なレシピがもつ、花々や植物の自然治癒力をエッセンスに調香するように伝えました。アロマテラピーについても調べてもらっています。彼女にとって、このプロセスによる調香は初めてのことで、とても興奮してくれました」

——パッケージなどにネオングリーンを多用していますが、その理由は?

「〈Vyrao〉は“vireo”というラテン語に由来します。私たちが幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態を表す“緑”を意味し、バイラオのシグネチャーカラーだと考えています。ブランドをローンチする際は自宅の壁もすべてグリーンにペイントして、“緑のエネルギー(力)”に身を委ねていました」

——Ræ はブランドにとってどんな存在で、何を表現しているのでしょうか。

「Ræ はメタバースで表現したジェンダーニュートラルなアバターです。良いエネルギーを引き寄せるデジタル形式のヒーラーとして存在しています」

——今後のブランドの展開、挑戦したいことを教えてください。

「たくさんあります! 11月には日本でも新しい香りが発売になるので、楽しみにしていてください。ウェルビーイングブランドとして、今後も様々なプロダクトで皆さんにより多くのヒーリング体験をもたらせたらと考えています」

——日本のカスタマーに〈Vyrao〉を楽しむコツを教えてください。

「各香水が“何をするためにつくられたか”という点に注目してください。例えば、自己愛のための【Georgette】は時間をかけてその目的をじっくり感じてください。自分をもっと好きになることで魅力が開花し、周りの人からもっと好かれることでしょう。あるいは、インセンスを焚いて瞑想してみたりお風呂でのリラックスにキャンドルを使ってみてください。キャンドルは、部屋に置くだけでもネガティブなエネルギーを清めたり、お守りとしてあなたを保護してくれるはずです。また、ヒーリングやエネルギーについてあまり興味がない方は、ゴージャスな香りの香水として純粋に楽しんでください。きっと知らぬ間に、あなたの感情に変化が訪れるはずです」




TEXT: AIKA KAWADA
PHOTO: SOICHI ISHIDA

エディター AIKA

大学卒業後、語学と服飾デザインを学びにパリへ。バイトで始めた編集・ライターが本業になり、ファッションやビューティを中心に執筆。週末は映画とビオワイン、パンがあれば幸せ。瞑想とアーユルヴェーダが気になる。

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