IN THE KITCHENあの人の台所 VOL. 06 五十嵐可菜さん 中華可菜飯店オーナー

2022.06.03

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2021年にオープンした中華可菜飯店。予約がなかなか取れない、注目の人気店だ。IN THE KITCHEN第6回目は、店主の五十嵐可菜さんに取材を敢行。創意工夫が詰まった店内の厨房と五十嵐さんが使ってみたいLife&Beauty by JUN ONLINEの取り扱いアイテムについて語ってもらいました。

五十嵐可菜さん

京都造形芸術大学に在学中、四川料理駱駝にてアルバイトをしたことをきっかけに中華料理に興味を持つ。上京後もいくつかの店舗での勤務を経験。また「中華可菜」名義で個人でのケータリング活動も行う。2021年、永福町に中華可菜飯店をオープン。「健全でヘルシーな中国料理」を掲げた自由な解釈の中華料理を振る舞う。
Instagram: @kanaigarashi_
中華可菜飯店 東京都杉並区永福2-50-21
Instagram: @chukakana_hanten

中華料理との出合いと見出した自分の料理スタイル

五十嵐さんが料理の魅力に気づいたきっかけは、意外にも京都でデザインを学んだ大学の料理の授業。精進料理について学び、興味を持った。それまでは台所に立つことはほとんどなく、むしろ料理は苦手だったという。

「中華料理の料理人が使う中華包丁がかっこいいなと思い、ずっと憧れがあったんです。それもあって、近所の大好きな中華料理屋で働き始めました。そこから自分が中華でできることは何か模索し続けました」

上京してからは、様々なお店で経験を積み、個人としてケータリングの活動もスタート。体力勝負の飲食業界で働いた経験から、まずは、料理を作る自分が健全でいないといけないと思い、「健全でヘルシーな中華料理」をコンセプトに。さらにはフードロスをできるだけ出さないようにアラカルトではなく完全予約制のコース限定と決めて、中華可菜飯店をオープンした。

美意識が宿るお店のロゴと店内に置かれたインテリア

「ロゴは大学時代の先輩にデザインしてもらいました。円卓やハンガーラック、カウンターも、上海の路地裏に佇んでいるような現地のお店だけど清潔感がある店をイメージして、赤茶色の木で統一したいと思っていました。ロゴも落ち着いた赤をベースにしているので暖色が好きなのかもしれません」

繊細ながら店内で存在感がある照明は、ガラスの器をアップサイクルしたもの。長野県にあるリビルディングセンターで見つけたそう。月のように天井から吊るされた大きなランプは、東京の外苑前にある西洋民芸の店、グランピエで購入。

友人たちから贈られたドローイングや書

店内を見回すといくつか置いてある作品に目を奪われる。どれもユニークな佇まいで興味をそそられるものばかり。

「ほとんどが友人たちから頂いたものです。焼売のイラストは、友人が開店祝いに描いてくれました。黄色が効いていてお店のインテリアのいいポイントなっています。店名が書かれた書は、アルバイトの子が書いてくれたものです。書道や金継ぎが得意な芸達者な子で(笑)。とても達筆だったので額装して飾っています」

カウンターまわりには異国情緒あふれる小物とメニューが

店内に置くもの一式や調理器具、食器類を自ら選び、コーディネートがすることが楽しいという五十嵐さん。カウンターには、つい手にとってみたくなるようなセンスとユーモアを感じるアイテムが並ぶ。

「ほとんどがいただいたものです。台湾の点心を一冊にまとめたミニブック、陶器の醤油差しやポットなどです。メニューは、刺繍が施されたカンボジア製ノートの中身を入れ替えて作ったものです」

一番好きな調理器具は便利な蒸し器

「せいろは大小のサイズ違いで使っているのですが、どちらも横浜中華街の調理器具屋さんで購入しました。せいろを使う料理は絵になるので大好き。大きなせいろに小さいせいろを入れて蒸す、“せいろ in せいろ”が好きです」

こだわりの茶葉と茶器は容器に大切にしまって

中華可菜飯店は、お茶のメニューが充実。店内でもお茶の葉を販売している。

「お茶にこだわっている中華料理店はそんなに多くないように感じていて、だからこそ、自分のお店では、バラエティに富んだお茶を提供したいなと思っています。中国茶専門ブランド〈Haa〉のお茶は現在7種ラインナップ。お茶の葉は保存瓶に、茶器はちょうどいいサイズ感だった銅製の蒸し器に収納しています」

大きな中華包丁と愛情が芽生え始めた古い柱

「憧れだった中華包丁も、長い間ずっと使ってきたので一番使いやすい包丁になりました。刃が大きくて力が入りやすいんです。コンパクトな厨房なので、刃物は壁に貼り付けて収納。さっと取り出せて、使い勝手もいいんです」

五十嵐さんに厨房の中で一番のお気に入りの場所を尋ねると、意外な返答が。指差したのは、コンロの前に不自然に立った古い木の柱だ。

「今となってはこれかもしれません(笑)。お店の物件を見つけて、自分でも色々と調べながら頭の中に理想のお店を描けていたんです。リノベーションの工事も着工し進めていました。でも壁をぶち抜いた時に、この柱が残ってしまうことがわかって。邪魔だしショックだったんですけど、作業をするようになると、意外と火を使う時によりかかれたり、つかまれたりして。もはやチャームポイントだと思っています」

お皿やグラスの好み

店内の客席数は10席で、コースは前菜とデザート含めて全部で7皿。タイ料理をアレンジしたお粥がお店の定番になりつつある。

「取り皿は、料理が美味しそうに見える白いものが気に入っていますね。あとは景徳鎮という中国江西省の絵皿も集めています。割ってしまった茶碗は金継ぎして使い続けています。あとナチュールワインも出しているので、ワイングラスも大切。丈夫で使いやすいものを使っています」

店内のグリーンとお花はloveletterのフローリスト、memeさんが担当

「中野にある湯気という中華店でも働いていた時期があり、そこのお店に併設されたフラワーショップloveletterのmemeさんに店内の植物のアレンジをお願いしています。店内は全体的に暖色が多いので、パッと映えるブルー系や黄色、オレンジのお花は相性がいいんです」

みずみずしいグリーンや可憐な一輪挿しが、食卓に並ぶ中華料理に華を添えている。

お店での調理を通じて、道具にこだわりと審美眼がある五十嵐可菜さん。彼女が使ってみたいLife&Beauty by JUN ONLINEの取り扱いアイテムとは。

赤茶色の円卓とルイボスティーにマッチするコースター

「喫茶店やカフェに行くたびに、冷たい飲み物にコースターがついていると見映えが違うなと思っていたんです。パッと見て、これは使ってみたいと思い選びました。想像以上にお店の雰囲気との相性が良く、驚いています。めのうの模様が美しくて、見入ってしまいます」

【amabro / アマブロ】CRYSTAL COASTER クリスタルコースター

¥1,650

L&B

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つい業務用に頼ってしまいがちなクロスは丈夫で環境に優しいものを

「どこの飲食店でも使われている業務用のクロスを使ってますが、拭いたあとに水滴が残るのが気になっていました。これは吸水力があって一発で拭き取れる。リサイクルファイバーに縫い目が入っているデザインもかわいくて気に入りました」

店内に欠かせない植物を挿す、小ぶりなフラワーベース

「ぷっくりしたフォルムが素敵です。花瓶に興味がわいたのは、loveletterのフローリストmemeさんが見繕ってくれるお花で、店内の雰囲気ががらりと変わると気付いてから。透明感なガラス製のものが好きで、口が小さいものを集めてしまう傾向が。一輪挿しのバランスが取りやすいんです」

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【ANDSPACE by TOUCHU / アンドスペースバイトウチュウ】すずめ

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絶妙な色味に惹かれた豆皿は、前菜用に

「ワインという色に一目ぼれ。前菜の3種盛り合わせでは、主に汁気のあるものを小皿にのせるようにしています。そんな時にもぴったりですし、点心を食べる際の黒酢や生姜をのせる小皿としても活用できそうです」

自身の好みにマッチして、店内をより素敵にするもの。五十嵐さんのアイテム選びと使用用途のアイディアは、中華料理とお店への愛情が伺えるものでした。中華可菜飯店、ぜひ訪れてみたいお店です。




TEXT: AIKA KAWADA
PHOTO: SOICHI ISHIDA

エディター AIKA

大学卒業後、語学と服飾デザインを学びにパリへ。バイトで始めた編集・ライターが本業になり、ファッションやビューティを中心に執筆。週末は映画とビオワイン、パンがあれば幸せ。瞑想とアーユルヴェーダが気になる。

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