KEEP WARM冷えを学び自分をいたわる暮らし方 アウターアプローチ編
2020.12.18
中医薬膳栄営師の藤井愛さんに、冷えとその対策について教えてもらう連載の第2回目。第2回目は、前回で分かった冷えタイプ別にアウターからの改善アプローチを教えてもらいます。ちょっとした不調の時も自分で対処法がわかっているだけで、暮らし方も随分と楽になるもの。難しく考えすぎず、暮らしをちょっと上向きにしてくれるものという捉え方で取り入れてみてください。
日々の暮らしを楽にする
セルフメディテーション
冷えに限らず自身も日々身体の声を聞きながら、薬膳や漢方を取り入れながら暮らしているという藤井愛さん。そのような暮らし方は身体が整うのはもちろんのこと、心にも余裕が生まれたという。 「なんでここが痛いんだろうとか、下痢しているんだろうとか体調が悪い時、理由がわからないと不安になりますよね。でも、身体の仕組みをちょっと知っておくと、例えばめまいがした時も、きっと血が足りないからなんだな。じゃあレバーを食べようとか漢方を飲んでおこうとか、対処ができる。自分で身体の状態が理解できると、漠然とした不安に襲われることも減るので、以前と比べて心に余裕ができましたね」
冷やさないことは子宮を大切にすること
薬膳を取り入れるきっかけは、32歳の時に陥った突然の体調不良だった。2ヶ月ほど不眠に悩まされ、病院へ行くと心療内科への受診を勧められたそう。しかし、結果的には訪れた鍼治療で、中医学でいうところの「肝」が弱っていることを指摘され、通い続けるとみるみる回復。「特に女性は、生理を抱えて生きていかなくてはならないですよね。生理が重いか軽いかは、それこそその人の人生に影響を及ぼすといっても過言ではありません。子宮を大事にするということは、=冷やさないことにも繋がります。今回の冷えタイプ別のアプローチも知っておくと、身体が楽になるなと実感してもらえると思います」
気虚(ききょ)におすすめの
アウターアプローチはお灸
疲れやすい気虚タイプによる冷えはお灸によるアプローチが効果的。やり方は簡単でせんねん灸と呼ばれる薬局やネットで買えるパッチ式のお灸を身体に貼って、火を灯すだけ。 「気虚には合谷(ごうこく)と呼ばれるツボ(写真)にお灸を据えるといいです。合谷は胃腸の働きを整えたり、肩こりにも効く万能なツボです。朝や就寝前のリラックスタイムに気軽に取り入れてみてください。お風呂上がりはやけどしやすいので注意が必要です。お灸で使われるよもぎは“ハーブの女王”と呼ばれるほど効果が絶大で、飲んだり嗅いだりとマルチに使える万能薬。デトックス作用や浄血といって血液をサラサラにしてくれる働きもあります」
腎虚(じんきょ)におすすめの
アプローチは足湯
全身に冷えが出やすい腎陽虚(じんようきょ)タイプは、足湯で冷えをためずにすぐ解消するのがおすすめ。「私は夕方キッチンなどで冷えを感じることがあり、煮込み料理の間などに足湯をします。ポカポカになるので血が巡り、疲れを感じる時間帯も乗り切れます。香りの良いお気に入りのバスソルトを入れて、10分だけでも足湯するだけで身体を温めることができますよ」
写真は藤井さん愛用の私物のバケツと死海の塩を使用したSHIGETAのバスソルト。ヒノキとユーカリの香りが心地よい「グリーンブルーム」(左)、レモンやレモングラスが爽やかに香る「ライトアップ」(右)
【SHIGETA / シゲタ】バスソルト
¥3,135
気滞瘀血(きたいおけつ)におすすめの
アウターアプローチはマッサージ
気と血の巡りが悪い気滞瘀血(きたいおけつ)タイプはマッサージで身体の巡りをアップ。「お風呂上がりの血行が良い時にオイルをつけて、経絡(けいらく)に沿ってマッサージすることで、滞った気血が巡ります。経絡とは、体中をめぐる「気」や「血」の通り道。ツボとツボを結ぶラインのことです。足首にオイルを塗ってから、下から上に軽く2回さすって、次に強く2回さすり、足の付け根からつま先に戻りましょう。イライラタイプの人は足の表面にある“太衝(たいしょう)”と“足三里(あしさんり)”いうツボ。血行不良の人は内くるぶしの“三陰交(さんいんこう)”と足裏の“湧泉(ゆうせん)”というツボをおしてください」
写真は左から、MOUNT LAIの天然石のカッサプレート(左 ローズクウォーツ 右ジェイド)、SHIGETAのエナジーチャージに最適なエッセンシャルオイル「モーニングスパークル」、定番のベースオイル「ベーシック ボディオイル」
【SHIGETA】エッセンシャル オイル
¥3,575
続けることが大切な日々の冷えに対するケア。効果をアップさせるだけでなく、続けるモチベーションを保つためにも、お気に入りの香りや可愛いカッサなどのギアをぜひ取り入れてみてください。きっと日々のケアがもっと楽しみになるはずです。
藤井さんのお話を伺っていると、本当に細やかに身体の声に耳を傾け、それに対処しているなあと感心しました。以前、身体を会社に例えるなら、自分が社長で臓器が社員。365日休まず働いている社員たちに労りの気持ちがないなんてひどい社長じゃないか?といったような文を目にしたことがあってハッとさせられたのですが、まだまだ私は彼らに無理強いするばかりのブラック社長なようです。反省の気持ちを込めて、私は気虚タイプなので、せんねん灸を購入し自宅で実践してみました。思ったよりも簡単でじんわりと温まるのが心地よく、パックなどをしている間にすぐできたので、続けていきたいなと思っています。
TEXT: AYAKO UENO
PHOTO: SOICHI ISHIDA
ILLUSTRATION: YURIKA SHIROYAMA
エディター AYAKO
雑誌のビューティ担当などを経てフリーに。気になるコスメや美容法はすぐにトライする派で最近はインナービューティに興味津々。
料理と美味しいお店探しも大好きな食いしん坊。